欧州では Directive 2002/49/EC の発令により、都市部のノイズマップ推計・描画を義務づけ、自動車、鉄道、航空機、工場を騒音源としたノイズマップを公開し、騒音政策に活かすこととしています。米国でも同様に、自動車、鉄道、航空機を騒音源としたノイズマップを公開しています。

日本では、大気汚染マップや各種ハザードマップが公開されていますが、ノイズマップに関しては未だ未整備であるため、近畿大学と日本ミシュランタイヤの共同研究プロジェクトで自動車のノイズマップ推計システムの開発に着手しました。本サイトでは、その共同研究プロジェクトの成果の一部である自動車のノイズマップを公開することにしました。現在(2021/9/15時点)は大阪府東大阪市の一般道路に限定された情報公開となっていますが、2021年度内に政令指定都市を含む複数の都市のノイズマップも公開する予定にしており、今後継続的にデータを増やしていく予定でいます。

ノイズマップのデータは、研究用途に限り無償提供することも可能ですので、ご興味のある方は CONTACT FORM よりご連絡ください。今後は、ノイズマップのデータだけでなく、ノイズマップを推計するために構築した各種データベース(自動車専用道路の形状データや個別の建物の居住者数データなど)も公開できればと考えています。また、将来的にはそれらのデータをAPI化し、色々な方に自由に使っていただける環境を構築していきたいと考えています。そうすることで、これまでにない騒音というものに対する新たな価値を見いだしていただける方が現れるのではないかと期待しております。

最後になりましたが、本活動にご賛同、ご協力いただける方(研究者や関連企業)がおられましたら、CONTACT FORM よりご連絡いただけましたら幸いに存じます。よろしくお願い申し上げます。

近畿大学建築学部 平栗靖浩